中村友美/嘉戸浩 二人展 「重なりの」
6/5(土)-9(水) 12:00-18:00
初日予約制(満席となりました)
作家全日在廊
キュレーター : 守屋里依、高橋真之
tel・fax:075-432-8555 ・ e-mail:info@kamisoe.com
中村友美/嘉戸浩 二人展 「重なりの」
6/5(土)-9(水) 12:00-18:00
初日予約制(満席となりました)
作家全日在廊
キュレーター : 守屋里依、高橋真之
現在、コメントフォームは閉鎖中です。
京都市右京区住宅。シワシワです。これは張って直ぐ乾ききる前の状態です。上張の前に「浮け」をかけます。下張の事です。薄楮紙の四方にだけ糊をつけ重ねて張っていきます。それを2回繰り返し「二重浮け」の下張です。四方にのみ糊をつけるという事は中が浮いている状態になります。「袋張」です。浮かす事で和紙は呼吸をします。湿気の多い時は「吸い」乾燥している時は「はく」。和紙が浮いている事で、下地の傷なども表にでなくなりふっくらした表情になります。浮いているので、四方に切り目をいれると簡単に剥がれ、張り替えもできます。雲母や胡粉、和紙などを見て「優しい表情」といわれますが見えない所で下地の処理「浮いている為ふっくらしている」のが伝わり「優しい表情」に見えるのは確かです。決して化粧だけで生まれる雰囲気ではないです。そこが面白く、そういう技術を持っている表具師さんと話をしていると「職人とは」を痛感させられます。実はその「浮け」自体、表化粧にもなるぐらい、そうとう美しいです。「手間をかける」と言うより「丁寧につくる」を心がけたいです。いつもお世話になっている住暮楽さんの現場。屋号が表す様に住み手の事を考え楽しく暮らせる素敵な住宅です。
お食事に呼ばれ、大変お世話になっているテキスタイル作家さんのお家へ。左京区、御蔭通を少し北へ上がった所にある、富田喜一郎氏設計、鉄筋コンクリート造の素敵な建築です。全ての階へ土足でいける造りですがもちろん和室はそうはいかず。4枚立で丈高の襖は「山桐」。桐を山にみたてたなんともユーモアのある襖です。(ユーモア、、、大切だな)個人的にも大好な襖です。鳥の子に雲母。RCの壁(テクスチャー)に良く合います。
2010.12.13 〜 2011.1.8 ID-company & Washiya Presentano Washi – wall @ Milano Italy
和紙を本格的なウォールペーパー(インテリア)として提案する展示会がイタリア、ミラノで開催されます。越前の「Sugihara Washi」さんよりお声掛け頂き、「かみ添」で墨染した大判も展示されます。楮紙、三椏、雁皮、麻紙、同じ条件で墨染めした4種の和紙。表情は全く異なり受ける印象も様々です。普段の染め方ではどうにもならず、皺、染、縒、など紙を扱うものには常についてまわる癖と向き合いました。漆で染めた和紙やテクスチャーの異なった和紙なども同時に展示されます。何も加工されていない4種の楮紙、三椏、雁皮、麻紙ももちろんです。で、間違いなくこれらが一番「美しい」です。
和紙の可能性をとことんまで追求し形にする。そして場所を選び発表する。ステレオタイプな「Japanese Paper」とは違う提案をされる杉原さんとヨルグさん。これらの微妙な違いを撮影してくれたのは友人のカメラマン Tomoko Kawai さん。彼女の目を通すとまた違うイメージが浮かび上がります。どのような反応があるかとても楽しみです。
銀化粧したポチ袋。いつもと同じ紙で注文したものの、前回より簿妙に薄く、微妙に紙肌が滑らか。滲止めも強い。裏側まで水分がまわらないので顔料が滑り易い。「前回と違います」とは言いません。この紙自体、毎回新に漉かれているので(機械であろうと)その時々の条件で出来上がりが変わるのでしょう。想像できます。(均一に、規格通りに仕事をしなければいけない場合はだめでしょうけれど)自分の仕事はその「いつもと少し違う紙」が納品された際に「さー、今回のこの紙はどうして化粧しようか」と考える事です。糊の比率を上げる。刷毛の角度を変える。などなどです。どうしても無理な時もありますが、新しい紙を手にしたときの緊張感がたまりません。
昨日の続きです。スーザンの工房は「hinaya」の本社の中にありました。そうこのビル!(上記写真)新町通りを通るたびに、とびきりの存在感を出している高松伸設計の「織陣 I 」です。人を全く寄せ付けない圧力のあるファサード。写真の突起はなんの為にあるのだろうか、、、このビルの中に入れる日が来るとは。スーザンの工房を見れるのと同じぐらいの興奮を覚えました。(初めてロボットのコックピットにのるような感覚)
本社横の「hinaya」さんのショールームにはフランスの植物学者、Patrick Blanc により考案された「ウォール・ガーデン」があります。ショールームに入ると直ぐ、日光を求めて外へ外へと伸びて行く植物に出迎えられます。これもまた特別な体験です。NYのスーパーエッジーなファッション、自然の芸術、昭和の建築遺産、と「西陣」。「hinaya」さん凄い。やはりこれから「西陣」面白いです。京都へ来られた際、西(嵯峨野)へ東(東山)へ行き疲れたら北(北区、上京区)へお越し下さい。文化密度高いです!
ハロー画廊のオーナさんとバティック作家の藤本さんにお誘い頂いて「my visit to KYOTO」というプロジェクトの為、京都西陣「hinaya」で制作されているSusan Ciancolo さんの工房にお邪魔しました。よくある「新しい西陣」とは明確に違う「何か」がそこにはありました。西陣とスーザン。この振れ幅の大きさと「hinaya」さんの触覚に目眩します。
スーザンのファッションイラストと西陣の切端、蛍光イエローのフリースと薄灰桜の生地、「hinaya の生地の美しい事」と笑顔で話すスーザンは穴の開いたt-shirtsからネルシャルを出し、だいぶ大きめのコンバースを履いていました。
一番の驚きは、スーザンを完全にサポートしている事。お互いが主張するのではなく「hinaya」さんの生地を使っているものの、ペイント、刺繍、切断加工され、ほぼスーザン色で染まり、それを「素晴らしい」と言える「hinaya」さん」(が、素晴らしい!)一緒に物を作るとはこういう事なのでしょう。相手を尊重する事。
これらの作品は2月の NY collection で発表されるそうです。すべてを「やんわりした空気」で包むスーザン。「物造り」の前に「造る人」がいる。ブログ掲載許可もくださりありがとうございます。貴重な写真です!