図形楽譜

今日「かみ添」店内と同じ仕上げの「無音」制作(京都市内住宅襖)なんだかんだで僕もこれが一番好きです。「音」を可視化したもの。正確にいえば「音のないさま」を可視化したもの。なので実は「雲母」ではなく「胡粉地」がメインなのか?「音」といえばリズムとハーモニー、この仕上げに関して言えばリズムは「雲母」。ハーモニーは「雲母」の中の「たらし込み」。「雲母」の丸は方向(ベクトル)がない。上から下でもなければ下から上でもないし、右から左でもなければ左から右でもない。
リズムを考えると「間」の取り方が大事になってくるので余白を考えると「5つの丸」は実はもう動けない。だいぶ前(ココ)に書きました。図形楽譜の文様作りたい。本日店内音は終日 Nobukazu Takemura です。

溝に溜まった絵の具

ポチ袋の上蓋を閉めた際の本体の斜めの線の入り方が気になり何度か形を変えて完成した「かみ添」のポチ袋です。トムソンで型を抜く際、折線もつけてもらうのですが、金や銀で化粧(刷毛染め)すると、紙が水分を吸収しせっかくの折線が水分でふくらみ、折る時には折線の意味をなしていない。さらにポチは触れるものなので出来るだけしっかり金、銀を定着させる為、顔料に澱粉系の糊をまぜる。固めの絵の具が折線に溜まり紙を折る時に剥がれる。ただ単純に物を作っている訳ではなく、紙と水と糊と具の関係を自分なりに理解し「ここのバランス面白いなー」と気がつくと仕事が格段と面白くなります。

摘草料理

明日、9月11日 (土) 銀座三越12Fに京都・花脊「美山荘」四代目当主、中東久人さんのお料理をお楽しみ頂ける店「石楠花」(しゃくなげ) がオープンします。和室、入口戸襖を制作しました。墨染の真っ黒な鳥の子に薄ら無音。不規則な格子と土壁。墨の鳥の子、面白い組み合わせです。東京へ行ったら是非伺いたいお店です。

カミソエ(言葉とリズム)

理想の詩 2010年 秋 「言葉とリズム」特集タイトルだけで一気に読みました。
日本語のリズムの基本は八音。二音を二乗した四音。カタカナ表記の略語や、オノマトペは圧倒的に四音語が多い。
・アメリカンフットボール = アメフト・ラジオコントロール = ラジコン・ワンワン・キラキラ・国際連合 = 国連・天ぷらどんぶり = 天丼。なるほど。これは屋号を決める時などに役にたちそうです。・カミソエ ←四音!・カドコウ ←四音!これは日本人に染み付いた言葉のリズムにあってる。でも日本語の「リズムカルな文の王座」に君臨しているのは七音、五音。なぜ?それは理想の詩を読んで下さい。

Mark Rothko

少し前の仕事です。数寄屋。玄関横坊主襖。お施主さんからはお任せで、「僕は Mark Rothko が好きでねー。」とボソっと言われていました。いつも以上に薄く溶いた胡粉で線を入れる。一方は墨染後の鳥の子の上から、一方は先に型押しをし、後から上染。これぐらいが丁度いい。墨はいい。「私は Gary Hume が好きでねー。」とボソっと言われるお客様いたらいいな。

あたりまえの存在

毎回毎回楽しみにしていた講演会の最終回です。
2010年9月24日(金)「そこに在るもの」尹煕倉 x 森 桜 x 鞍田崇 @ 総合地球環境学研究所
「大切なことは、特別なことよりも、むしろありふれたことの中にある気がしています。作品からの一方向の主張でなく、観る人の意識に応じて、作品が語りかけたり、時には黙したりしても良いと思うのです。「在ること」と「無いこと」の往還。かえってその方が、人の意識の深いところと繋がることができると思うからです。」 尹煕倉

激しく同意。

1周年

2010年9月1日「かみ添」を立ち上げて1年経ちました。たくさんのお客様とお会いし、たくさんのお客様とお話し、たくさんの事を教えて頂きました。

街から離れた所に工房を持ち、街中のお店に卸すのではなく、自分の空間をつくり、お客様に空間ごと楽しんでもらい、ゆっくりお話する。たぶんこれが、”次の世代” の職人(作り手)のあり方だと思います。たくさんの物が溢れるなか、それらに紛れないで自分の作った「物」を見てもらいたい、だから「場所をつくろう」と。

どこに?
どうやって?
どんな?

それらの事を考えるのは「物」を作る事と同じなのでそこに自分の経験や感覚を集中させて、それごとお客様に感じてもらう。そして話す、というか伝える。

まー実際そんなに難しくは考えていませんが人が集まる場所を作るというのはとても面白く、これが続けばそれはそれは素敵なことだなと思います。本日から2周年へ向けて地道に頑張ります。これからも「かみ添」をよろしくどうぞお願いいたします。

越前03

最後はもちろん大瀧神社/岡太神社へ。紙の神様が祀られています。世界の名建築 100選 にも選ばれている素晴らしい建築です。屋根構造が日本一複雑だそうです。

設計士さん、建築好きの人は是非見に行って欲しいです。そして漉き場を巡り、職人と話し、紙の文化を体験し、和紙の可能性を再発見して、どんどん仕事に取り入れてほしいです。

越前02

越前和紙 : 人間国宝 九代目 岩野市兵衛さんの工房へ。・もっともっと越前和紙の事を知ってほしい。・自分の技術なんてまだまだ。(市兵衛さん語録)・原料を足した後、同じ厚さに漉くのが一番難しい。・Nikonのシャッター音が好き。(Canonは軽すぎるらしい)市兵衛さんの生漉奉書。美しいの一言。漉き上がり直後の和紙の重なりの断片を見るだけで興奮します。100%楮紙。これもなかなか手を入れるのは難しいです。

越前01


福井県越前市へ。言わずとしれた和紙の産地です。今回はあるプロジェクトの打ち合わせの為、幾つかの漉き場を廻りました。「自分が扱う素材を知る事。」とても重要です。(当たり前ですが)手間ひまをかけて漉きあげられた和紙に「化粧」をする。結構な仕事です。和紙(かみ)があっての仕事です。

はやくこのプロジェクトのお知らせをしたい!
近々お伝えできるのでお楽しみに。

日常に豊かさを添える

株式会社マガジンハウス発行
Hanako east No978

p.28「京の逸品」にて紹介されています。写真が大きく1ページ。和紙の耳(喰裂)雲母の流れ(たらし込)の和わらかな雰囲気まで解ります。素敵です。

京都市北区住宅、和室の戸襖。2枚とも同じ戸襖です。角度の違い、反射の違いで雲母が浮かび上がります。

江戸時代、朝の日、昼の日、夕の日、月の灯、に反射した雲母の表情を見て、だいたいの時間を把握していたにちがいない。