耳の重なり


薄楮4匁。なかなか表に出る事のない紙です。金を薄くといて微妙に化粧。ほとんど解らないくらい薄く金化粧。そうする事でどこにもない紙になります。湿してアイロンかけて大きなシワを伸ばします。
柾判でこの仕上げを400枚。結構な仕事ですが、たくさんの方に見て頂けると思うと、ちょっと興奮します。いつもの事ですが紙の重なりの断片は「絵的」に好きです。

きもの


京都きものパスポート2010年優待店舗として紹介されています。11/5(金)~11/7(日)は重要文化財 杉本家住宅の一般公開。無料です。この機会に是非。

遠くから見ることで、近くから見る目を養う



Villa-Kujoyama で研究されていた作家さん(小説家)からの注文で化粧した紙。本カバーの為の「緑色の紙」。「緑」といっても幅は限りなく広いし、「緑の紙」なんていくらでもあるのに、手染め、化粧した紙をご注文くださるのは何か理由が有るのでしょう。萌葱色二枚の写真は同じ紙です。角度、反射でこれだけ色が変わります。

渦か雷か



ある方から頂いた版木。以前はベンガラで染めをしていたのだろう。赤い染料がこびりついていました。柔いブラシで染料を洗いおとし、絵の具の引っかかりを良くするため、荒めのサンドペーパーで一度表面を削ります。細かな溝の埃、垢は目つきで掃除し、場合によっては溝をさらに深くします。

感性価値



e・感性価値研究所
の取材をうけました。ダラダラと思っている事をただ話しただけなので、どのように纏めて下さるのか楽しみです。話をすると、想いを言葉にして吐くと自分の考えなどを再認識、再編集できるので話をするのは好きです。
「最近腹が立った事、怒ったことは?」と聞かれ、ん〜っ、何も出てこなかった。実際なくはないけど、だからと言って腹が立ったり、怒ったりはない。やっぱり腹が立つ事はあまりないな。

若い松



来月、あるイベントに参加します。これも早くお伝えしたい。場所がすばらし過ぎます!

凸版の特徴

新しい文様(版木)です。「雲母」を版木から紙に移す時、ベタ面が多いと、絵の具が抜けたり、紙が変に伸びて嫌な凹凸が出来たりします。反対に細い線とか、小さな面の場合は2重摺りに成り易かったり、線と線が接する所に絵の具が溜まり文様がつぶれます。個人的に「この線の太さ摺り易い」とか「このベタ面の割合は雲母が奇麗に盛る」というのがあり、この文様は雲母がとても奇麗に乗ります。触ると気持ちがいい。

図形楽譜

今日「かみ添」店内と同じ仕上げの「無音」制作(京都市内住宅襖)なんだかんだで僕もこれが一番好きです。「音」を可視化したもの。正確にいえば「音のないさま」を可視化したもの。なので実は「雲母」ではなく「胡粉地」がメインなのか?「音」といえばリズムとハーモニー、この仕上げに関して言えばリズムは「雲母」。ハーモニーは「雲母」の中の「たらし込み」。「雲母」の丸は方向(ベクトル)がない。上から下でもなければ下から上でもないし、右から左でもなければ左から右でもない。
リズムを考えると「間」の取り方が大事になってくるので余白を考えると「5つの丸」は実はもう動けない。だいぶ前(ココ)に書きました。図形楽譜の文様作りたい。本日店内音は終日 Nobukazu Takemura です。

溝に溜まった絵の具

ポチ袋の上蓋を閉めた際の本体の斜めの線の入り方が気になり何度か形を変えて完成した「かみ添」のポチ袋です。トムソンで型を抜く際、折線もつけてもらうのですが、金や銀で化粧(刷毛染め)すると、紙が水分を吸収しせっかくの折線が水分でふくらみ、折る時には折線の意味をなしていない。さらにポチは触れるものなので出来るだけしっかり金、銀を定着させる為、顔料に澱粉系の糊をまぜる。固めの絵の具が折線に溜まり紙を折る時に剥がれる。ただ単純に物を作っている訳ではなく、紙と水と糊と具の関係を自分なりに理解し「ここのバランス面白いなー」と気がつくと仕事が格段と面白くなります。

摘草料理

明日、9月11日 (土) 銀座三越12Fに京都・花脊「美山荘」四代目当主、中東久人さんのお料理をお楽しみ頂ける店「石楠花」(しゃくなげ) がオープンします。和室、入口戸襖を制作しました。墨染の真っ黒な鳥の子に薄ら無音。不規則な格子と土壁。墨の鳥の子、面白い組み合わせです。東京へ行ったら是非伺いたいお店です。

カミソエ(言葉とリズム)

理想の詩 2010年 秋 「言葉とリズム」特集タイトルだけで一気に読みました。
日本語のリズムの基本は八音。二音を二乗した四音。カタカナ表記の略語や、オノマトペは圧倒的に四音語が多い。
・アメリカンフットボール = アメフト・ラジオコントロール = ラジコン・ワンワン・キラキラ・国際連合 = 国連・天ぷらどんぶり = 天丼。なるほど。これは屋号を決める時などに役にたちそうです。・カミソエ ←四音!・カドコウ ←四音!これは日本人に染み付いた言葉のリズムにあってる。でも日本語の「リズムカルな文の王座」に君臨しているのは七音、五音。なぜ?それは理想の詩を読んで下さい。

Mark Rothko

少し前の仕事です。数寄屋。玄関横坊主襖。お施主さんからはお任せで、「僕は Mark Rothko が好きでねー。」とボソっと言われていました。いつも以上に薄く溶いた胡粉で線を入れる。一方は墨染後の鳥の子の上から、一方は先に型押しをし、後から上染。これぐらいが丁度いい。墨はいい。「私は Gary Hume が好きでねー。」とボソっと言われるお客様いたらいいな。